ハマサンス コンプリートライフ

ハマサンスは遠方にいる友人のハマクラシーへ声を発信し続ける。 どうでもいいことばかり話し続ける。

М-1グランプリ出場の思い出話 (前編)

М-1グランプリに出たときの話。

 

「やるなら、今ですよ!やるなら、今ですよ!」[モデル:Max_Ezaki]のフリー写真素材を拡大

 

オイラは吉本興業主催の「М-1グランプリ」に3度出場したことがある。

 

オイラは10年前デイケアという場所で働いていた。利用者の皆様の前で話をしたり芝居や芸を披露したりとしているうちに、人前で面白おかしいことをするという楽しみを知ってしまった。

そこで、思い上がってМ-1に出ようと思ったのだ。

 

そもそも、自分はお笑いが好きでМ-1グランプリは毎年最高に楽しんで見ていた。

この大会はアマチュアが出れるが、しかし当時までは自分が出場するなどという考えは一切なかった。

 

しかし、デイケアで毎日30~40人の人を前に話しているうちに、大勢の前で芸ができると勘違いしてしまったのだ。

 

相方探しはやや難渋したが、結局従弟と出るようになった。

 

2008年の時である。

 

ネタを考えた。はじめてなことであったがとても楽しく制作していた。

いくつかネタを考える。どれも、めちゃくちゃ面白いと自分一人で思い込んでいる。

従妹に見せた。従弟は人のすることを否定するような性格ではない。

「面白いと思う。」というので、実際に立ち稽古をしてみた。こんな練習をすることも初めての経験だ。

 

М-1グランプリのエントリー用紙を印刷して記入した。
それだけでもワクワクしてうれしかった。

 

頭では勝手に2回戦はどんなネタをしようかと己の実力を忘れて悩んでいた。

 

しかし問題が起きた。

従弟が漫才の練習に来なくなったのだ。

 

連絡も取れなくなった。
そして、本番1週間前に従妹の知り合いに説得される形で練習に来た。

なんで練習に来なかったのかを問い詰める時間はない。とにかく、台本通りにしゃべれるように特訓した。

 

そして1週間が過ぎいよいよ本番。

福岡の会場「博多大ホール」という場所で1回戦が行われるので従妹と向かった。

 

緊張するのでビルの外で何度か練習し直した。

そして、会場へ入る。スタッフにエントリーフィーを支払う。2000円だ。
エントリー番号の札をもらい胸の位置に貼る。超ドキドキする。

 

そして、会場裏へ。通路ではそれぞれたくさんのコンビが練習をしていた。

僕たちはその練習の様子を見て絶望した。

 

声の出し方が根本的に違うのだ。

 

全員ではないが、福岡吉本やワタナベエンターテイメント九州の芸人さんたちのけいこを見て、血の気が引いた。

 

やばい。

 

そこではじめて自分の思い上がりのほどをしった。

声の出し方や活舌という基本的な部分を練習しなくてはいけなかったことに、今ここにきて分かった。

 

僕たちの出番が近づいてくる。

僕たちのネタは「吸血鬼になりたい」というネタだ。

 

ぶっ飛んだ構成で人の気を引ける自信があった。
今はただもうミスらずにやりきるしかない。

 

舞台袖へ上がり、自分たちより前の演者たちが漫才をしているのが見える。観客の笑い声なども随所で聞こえるようになってきた。

 

そして、いよいよ自分たちの出番。スタッフが出囃子を流すと同時に、「どうぞ」と声をかけてきた。

 

2人でそそくさとセンターマイクの位置へ。

 

「どうもーよろしくお願いします。」

「お願いしますけどね~。首かじりてぇ~

つかみは少々笑い声が聞こえてきた。

 

弟が観客席から見ていたが、後に話を聞くと
吉本の芸人さん達が笑ってくれていたようだ。

 

しかし、ネタが進むにつれ前列の観客が飽きだしたのか携帯電話を開きだした。
その光景がこちらの目に映ると、いかんせん緊張具合がハンパなく上がる。

 

その後、そんなに笑いも起こらずに(客のリアクションを感じる余裕などなかったが)こちらのネタは終了した。

 

自分の結婚式よりも緊張した。フロアで地べたに倒れてしばらく動けなかった。

 

「落ちただろう」

 

僕たち2人はそう思い、エレベーターで下の階へ。同じエレベーターに乗り合わせた観客の人が「面白かったですよ」と気遣ってくれた。情けないがとてもうれしかった。

 

案の定結果は落ちていたが、オイラはリベンジに燃えていた。
いつか2回戦に進んでやる!と・・・。

 

 

続きます。

読んでくださりありがとうございます!

よかったら、次回も読んでくださいね!

ではまたー。